今日は作業が始まった10時くらいからけっこうな雨が降ってきました。
雨が降ると青空が恋しくなり、雨が降らないと雨ごいをする…人間の性でしょうか。
ある男が道を歩いていると一人の初老の女性がしくしくと泣いています。
「おばあさん、いったいどうしてそんなに悲しんでいるんですか?」
「私には娘がいるんですが、その娘の嫁ぎ先は傘屋なんですよ。こんなに晴れていたら傘なんて売れやしない。どんなに困っているかと思うと、不憫で…」
別の日、やはりあのおばあさんがしくしく泣いています。
「おばあさん、今日はこんなに雨が降っているのに何でそんなに悲しげに泣いているんですか?」
「私にはもう一人娘がいまして、その娘は下駄屋に嫁いでいるんですよ。こんなに雨が降ったら下駄は全く売れないだろうと思うと不憫で…」
男は言いました。
「おばあさん、晴れた日は下駄がたくさん売れる、雨の日は傘がたくさん売れる、ああなんてありがたい!と考えたらいいのに…」